豚肉で作る生ハムは寄生虫がいるって本当?妊娠初期に気を付けたいこと

生ハムと寄生虫 妊娠中のQ&A

「生ハムは豚肉で作るから、寄生虫がいるのでは?」
このような心配をされているのですよね。

 

このような疑問は、そもそも「生ハムの製造方法」をきちんと理解していないことから生まれる疑問です。
豚肉に付着しているかもしれない寄生虫と、生ハムにリスクがあるのか紹介します。

 

妊娠初期の方も、生ハムを食べることでリスクがないのか調べてみました。

豚肉で作る生ハムは寄生虫がいるって本当?

生ハムの原料は豚肉です。
では、「生」という文字が付いているけど、生ハムに寄生虫はいるのでしょうか?

豚肉を生で食べるときの寄生虫

食品安全委員会によると、豚肉を生で食べることは、次のようなリスクがあるそうです。

 

・E型肝炎ウイルス
・サルモネラ菌
・カンピロバクター・ジェジュニ/コリ
・トキソプラズマ
・トリヒナ
・有鉤条虫

 

豚肉の寄生虫リスクとは、トキソプラズマ、トリヒナ、有鉤条虫のことです。
一方でSPF豚肉とは、トキソプラズマなどに感染していないことが証明されています。
ただし無菌豚ではなく、E型肝炎ウイルスに関しては同じとのことです。
出典https://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/namabutaniku_qa.pdf

 

このようなことから豚肉の場合は、少なくとも生肉で食べるのは止めたほうがよさそうです。

そもそも生ハムの作り方とは?

では、豚肉で作る生ハムは?
「生」という言葉が付いているため誤解されてしまいますが、生ハムは「生肉」という意味ではありません。
ただし、高温での加熱処理はしていない状態です。

 

生ハムは塩で数日間つけ置きしてから、乾燥させたのち燻製しています。
スモーカーは高温にはならず、低温熟成です。

 

生ハムのような加工食品のことを「非加熱食肉製品」といいます。
高温で処理はしませんが、日本国内においては厳しい規格が存在しているようです。

 

・大腸菌は検体1gにつき100以下
・黄色ブドウ球菌が検体1gにつき1,000以下
・サルモネラ菌属菌は陰性

 

さらに生ハムのような非加熱食肉製品は、製造法に厳しい基準があります。

・4度以下で保存し、PHが6.0以下の食肉を使う
・解凍は10度以上にならないようにする
・肉の成形は10度以上にならないようにする
・亜硫酸ナトリウムによる塩漬け方法による規格を守る
・亜硫酸ナトリウムを使わない塩漬けの規格を守る
・燻煙や乾燥は20度以下に保持、水分活性が0.95未満になること
・燻煙や乾燥後の食品を衛生的に取り扱う

出典http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/jigyousya/shokuhin_kikaku/dl/09.pdf

 

日本では、このように厳しい管理のもと生ハムを製造しているため、細菌や寄生虫リスクは少ないといえます。

 

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妊娠初期に気を付けたい生ハムについて

妊婦と生ハム
では、「妊娠中は大丈夫なの?」という疑問が出てきますね。

 

・リステリア食中毒のリスクがある
・トキソプラズマのリスクがある

生ハムにはこの2つのリスクがありますが、厚生労働省ではリステリア食中毒に注意を呼び掛けているようです。
出典http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/ninpu.pdf

トキソプラズマ

トキソプラズマは世界の3分の1が感染しているといわれています。
日本人の感染も珍しくはありません。

 

感染源は、猫のふんです。
トキソプラズマは哺乳類と鳥類に感染しますが、卵は猫の腸内でしかみつかっていません。
そのため、感染している猫のふんを触ることや、土いじりでも感染する可能性があります。

 

豚肉からの感染は、豚肉が5.2%のリスクです。
しかし、加熱処理をすれば感染を防ぐことはできます。
トキソプラズマは65度以上15分以上の加熱、または-20度に24時間の処理が必要です。

 

妊娠中でトキソプラズマの心配がある場合は、生ハムを加熱または冷凍してみてはどうでしょうか。
猫の場合は、ふんが排出されたばかりは感染力がありません。
24~3週間で感染力を持つともいわれるため、その日のうちに処理すれば心配はないでしょう。
参考資料http://www.nakayamaclinic.jp/smiletimes/pdf/no206s_201305.pdf

リステリア食中毒

日本において、乳製品や食肉加工食品からの菌数は少ないそうです。
100%リスクがないと言い切ることができないことから、厚生労働省は妊婦さんにリスクを呼び掛けています。

 

では、実際にどのくらいのリステリア菌感染があるのかみてみましょう。
食品安全委員会により、1996年~2002年までの感染状況が報告されています。

・1996年以降 95人
・1年間の発症数 13例

リステリア菌の食中毒リスクは、100万人に対し0.65人です。

 

2006年~2010年までの調査では、

・食肉加工食品 294中12が陽性
・生ハム 30中1が陽性

 

日本で流通する生ハムのリステリア菌感染数は少ないようです。
ただし、完全に0ではないため、心配な方は妊娠中に食べないほうがいいでしょう。
出典http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20120328ik1&fileId=130

結局、生ハムに寄生虫リスクはあるの?

日本での生ハム製造方法は厳しく決められえているため、寄生虫リスクは限りなく少ないといえそうです。
トキソプラズマやリステリア菌に関しても、日本で流通している生ハムなら心配がなさそうですね。

 

それでも、生ハムの加工段階で付着していなくても、家庭で感染するリスクはあります。
生ハムからの感染というより、生肉を扱ったときまな板に菌が付着しているリスクのほうがあるのではないでしょうか。

 

妊娠中は免疫力が低下しやすいため、調理器具の扱いにも注意してみてくださいね。

 

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トキソプラズマは検査ができます

妊婦と生ハム
トキソプラズマは妊婦さんが初感染するとリスクがあるため、病院で検査ができます。
妊婦検診に検査は必須とはなっていませんが、希望すれば検査が可能です。
費用は自費で1,000~2,000円くらいかかります。

 

リステリア菌は食中毒の一種のため、症状が出ていなければ病院を受診する必要はありません。