24時間換気は必要か?止める影響を考えよう
現在新しい住宅を建てると、必ず24時間換気システムが付いてきます。でも1日中稼働させる必要はあるのだろうか?冬は寒いので止めたい!などと24時間換気の必要性に悩んでいる方も多いようなのです。
我が家にも24時間換気が付いていますが、新築当初は1年中24時間換気を稼働させていたものの、今では切ることも多くなりました。実際に稼働させないときと、24時間換気を付けているときとの違いを紹介します。
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我が家の24時間換気システム
2階の部屋の床下に設置されている24時間換気システムです。この上には物を置くことができないため、空き部屋に24時間換気を設置してもらいました。
開けると24時間換気システムの機械が見えます。外から外気を取り込んでいるため、24時間換気システムにはフィルターが付けられています。フィルターにはゴミや虫などが付着してしまいますから、定期的に掃除する必要があります。
よく見ると24時間換気システムにはスイッチも付けられていることがわかります。24時間換気はハウスメーカーなどから「消さないでくださいね」と言われます。そのため24時間換気システムは、自分でスイッチを切ったり入れたりできないと思っていないでしょうか?私もそう勘違いしていたのですが、スイッチがあることに気が付きました。
1階の部屋にある穴です。外から取り込んだ空気は1階と2階の間にある空間を通り、その場所に設置されている炭を通過して各部屋に送られるシステムとなっています。そのため各部屋へ空気を送る穴は上部に設置されています。この穴はリビングに設置されているもので、ドアの上の部分にあります。
2階の各部屋へは、床下に穴があります。フローリングに穴が開けられ、そこから空気が出てくるシステムです。そのため24時間換気をする以上、この部分の上に物を乗せることはできません。
階段の踊り場にある排気用の穴です。部屋の空気をここから外に出すようになっていて、1階の部屋と2階の部屋すべての空気はここから外に出されていきます。風の強い日などは排気用の穴から外気が逆流し、室内が寒くなることもあります。そのためスポンジを当てて、空気の流れを少し制限しています。
24時間換気システムを止めてみてどうだったか?
なぜ24時間換気システムを止めてしまったのかというと、冬に寒いからです。外気から冷たい空気がどんどん流れてきて、せっかく部屋を温めても室温が下がってしまうからです。そのため冬は24時間換気を切ることが多いです。
体感では、24時間換気をつけっぱなしにするより、24時間換気を切るほうが温かく、室温が上がりやすいように思います。
24時間換気を止めるとデメリットも
しかし、冬に24時間換気システムを止めると、デメリットもあるのです。それは結露が起こりやすくなること。
結露は室内にこもった水蒸気を外に出してやらないと、窓や家具の後ろなどに結露が発生してしまいます。24時間換気をつけっ放しにした年は結露がまったくおきないのですが、24時間換気を止めると数日で結露が発生するのがわかります。
そのため、結露防止として冬には24時間換気を数日に1回程度は稼働させています。窓を開けて換気すればいいのですが、真冬になると氷点下になる地域に住んでいるため、真冬に窓を全開にして換気するのはちょっと難しいのです。
結露が発生すれば、断熱材の中に汗をかいたり、壁の裏側などにも湿気がこもる可能性があります。結露は家を痛める原因にもなりやすく、家を長持ちさせるためには防がなければならりません。
夏は24時間換気を切っても問題なし
夏はとくに24時間換気の必要性は感じていません。夏は窓も開けるので、結露もしません。春~秋までは24時間換気は切ってもいいのではないでしょうか。
そもそもなぜ24時間換気が住宅につけられるのかご存知でしょうか?その理由は住宅が高気密になることで、建材に含まれるホルムアルデヒドがシックハウス症候群の原因になるからです。建材、接着剤、新しい家具などからも化学物質は出ていて、高気密住宅だと家の中に充満して健康被害が発生するリスクがあります。
昔の家は機密性が少なく、24時間換気システムが無くても問題となることはありませんでした。今は換気口を設置することはなくなり、24時間換気システムで機械的に室内と外気との空気を入れ替えるようになりました。
・ アトピー性皮膚炎
・ 喘息を持っている
・ 鼻炎や花粉症である
・ 動物アレルギーがある
このような方は、新築住宅でシックハウス症候群になるリスクがあるため、24時間換気を止めることは避けましょう。ただし建材や接着剤から揮発する有害物質は、新築から2年程度で少なくなります。新築では無い住宅や、新築から2年以上経過した家では、シックハウスの影響が少なくなるため、24時間換気システムはオフにしても問題ありません。
なぜ高気密住宅になったのか?
現在の住宅は、夏でも冬でもエアコンなどで室温をコントロールしています。以前は高気密住宅といえば北海道などの北国だけの特徴だったのですが、現在は全国でも夏のエアコンのエネルギー効率を高めるため、高断熱住宅が主流になってきています。
・ 夏にエアコンを使うため
・ 冬に暖房を使うため
このように今の住宅は1年中エアコンや暖房で室温をコントロールしているので、高気密住宅が求められています。高気密住宅になれば、当然室内の空気の流れは止まってしまうので、24時間換気システムで有害物質を外に排出したり、湿気を出して結露を防ぐ必要性が増してきたわけです。
24時間換気をつけない場合の注意点
24時間換気をつけない場合、家の中の空気は入れ替えることができません。そのような場合は、1時間に1回は窓を開けて換気をしましょう。対角線上の窓を2箇所開けると、部屋の空気は流れていきます。
1つの窓は少しだけ開ける、もう1つの窓は全開にする。少しだけ空けたほうが吸気、全開にしたほうが排気となり、2つの窓を普通に空けたときより換気の効率がよくなります。
長期間家を開ける時には、自分で換気ができなくなるため、24時間換気はつけましょう。どうしても稼働させたくない場合は、換気扇をつけっぱなしで出かけると、室内の有害物質を排出することができます。
建築業者は24時間換気を消してよいとは言えない
24時間換気が導入されたのは2003年のことで、建築基準法で制定されました。シックハウス症候群を防ぐために、24時間換気システムの導入を義務付けました。これは建築業者への制定であって、住んでいる人が絶対に24時間換気を稼働させなければならない法ではありません。
業者は立場上、24時間換気システムを切ってもよい、とは言えないわけです。業者は問題が起きても責任を取るのを避けたいわけで、24時間換気をつけっ放しにしてください!と伝えておけば責任を取らされる必要はありません。
24時間換気とアレルギーの関係性は?
私自身、喘息、アトピー、鼻炎、ペットアレルギー、ハウスダストアレルギーなど、かなりのアレルギー体質です。新築当初はやはりシックハウスが気になったので、24時間換気はずっと稼働させていました。そのおかげで極端にアレルギーがひどくなることはありませんでした。
今は新築時のホルムアルデヒドの量も減っているようで、24時間換気は止めることも多くなりました。結果的にアレルギー症状がどうなったかというと、シックハウスのリスクが少なくなれば、24時間換気はつけてもつけなくても同じのようです。
そもそもアレルギーの原因は、ダニやホコリなどのハウスダストが原因のことも多く、シックハウスのリスクが減っても、家庭からハウスダストをゼロにすることはできないからです。
・ 新築2年間は24時間換気をつけましょう
・ その後は臨機応変で対応する
アレルギーがある方は、結露で発生するカビもアレルゲンになりえるので、冬の時期に24時間換気を止めてしまい、カビが生えるのは注意してください。
まとめ
24時間換気システムは、建築業者は立場上24時間稼働させるように指導する立場にあります。そのため24時間つけっぱなしにするよう勧めるのですが、新築から数年くらい経過すれば、シックハウスのリスクは減らせるので365日ずっと稼働させる必要性は少なくなります。消してしまう場合でも、必ず自分で換気を行うこと、結露にも注意すること。この2つは気をつけることをおすすめします。