羊水はいつから?羊水の成分から比較してみよう

妊娠中のQ&A

羊水はいつからできるのでしょうか?
知っているようであまり知らない羊水のことを紹介します。

羊水はいつから?

妊娠すると羊水はいつからできはじめるのでしょうか?
これは胎嚢という袋ができはじめるころからです。
かなり妊娠初期から羊水ができていることがわかります。

 

胎嚢は妊娠4週目~5週目くらいに確認できるため、妊娠2ヶ月ころには羊水があるということなのです。
厳密にはこのころの羊水とは本来の羊水の成分ではなく、ママの血液成分によって構成されています。

 

そして妊娠3か月目になれば羊水のなかで動く赤ちゃんの様子が、超音波検査でわかるようになってきます。
また、この頃になると羊水も飲んでいると考えられているようです。

羊水の成分とは?

羊水の成分
気になるのが羊水の成分ではないでしょうか?
「羊水と海水の成分は同じ」といわれることもあるため、どんな成分なのか気になりますよね。

羊水の成分とはどんなものなの?

羊水とは「羊膜上皮」から分泌される液体のことです。
羊膜とは胎盤の一部のことで、赤ちゃんを包み込み羊水を保持しています。
赤ちゃんは卵膜というもので覆われていて、破水したときに卵膜が破れて、はじめて羊水が外側に流れ出るのです。

 

羊水の成分のほとんどは水ですが、妊娠初期にはママの血液成分(血漿)からつくられていて、どのような仕組みで羊水が発生するかはわかっていない部分も多いそうです。

羊水の99%は水ということ

羊水の成分の99%は水です。
驚くことに羊水の成分は、海水と似たものとなっています。
海水と同じ塩分濃度で、弱アルカリ性に保たれているのが特徴です。

 

では、なぜ羊水が海水と同じ似た成分なのでしょうか?
それはとても神秘的な事実があるからです。
受精卵ができたばかりの赤ちゃんは人の形をしておらず胎芽と呼ばれています。
細胞分裂して成長していく様子を観察していると、古代の地球で生物が進化する過程をたどっているともいわれているようです。

 

最初は魚類のような形で、次に両生類のように変わり、爬虫類へと変化してから哺乳類のような姿に変わっていきます。
羊水が海水と似ているのは、「この過程を胎内で体験するため」ともいわれているようです。
赤ちゃんが妊娠期間の10か月で、地球の生物が進化した過程を経験するなんて、とても神秘的なことですよね。

羊水は赤ちゃんのオシッコと同じ成分

妊娠後期になると羊水の成分は、赤ちゃんのオシッコで満たされています。
オシッコのなかで赤ちゃんが過ごしていると想像するとキタナイイメージを持ってしまいますが、私たちが想像するようなオシッコではありません。

 

すでに解説したように99%が水で、アミノ酸、電解質、脂質などの構成成分です。
羊水自体は味もニオイもない透明な液体で、きれいな水の中で赤ちゃんが過ごしていると想像してもらうとわかりやすいでしょう。

羊水は毎日新しいものと入れ替わっている

羊水は赤ちゃんのオシッコでできていますが、胎児のオシッコは老廃物が含まれていません。
なぜなら、赤ちゃんとママはへその緒で繋がっていて、赤ちゃんの老廃物はへその緒を通りママに処理してもらっているからです。

 

胎内の赤ちゃんはまだ腎臓により老廃物を処理する能力は持っておらず、老廃物の処理はママに頼っています。

 

さらに羊水は常に入れ替わっています。
入れ替わるのはたった数時間~1日だといわれているようです。
だからこそ羊水はとてもきれいで、汚れてしまうことがないんですね。

羊水の味はママの食べた物に影響されている

実は羊水はママが食べた物で味が変わるとされています。
赤ちゃんも甘い物が好きなようで、ママが甘い物を食べると羊水が甘くなり、赤ちゃんは羊水をたくさん飲むそうです。

羊水の量とは?

羊水の量は妊娠周期によって変わっています。
日産婦誌59巻10号に掲載されていた内容によると、

・妊娠10週 約30ml
・妊娠20週 約350ml
・妊娠32週 700~800ml

このように増えていきます。
出典:http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5910-635.pdf

羊水の成分は時期によって変わります。

羊水の成分
羊水の成分は妊娠周期によって違っていています。
最初はママの血漿から羊水がつくられているため、母体由来の成分ということになります。
胎盤ができるころから、赤ちゃんはオシッコをして自ら羊水をつくるようになるのです。

妊娠初期の羊水

受精卵ができたころは、わずか0.1mmの大きさしかありません。
このころの受精卵は胚と呼ばれる状態です。
妊娠6~7週になると、エコー検査で胎嚢を見ることができ、その中に胎芽が認められるようになります。

 

そのころになるとエコー検査で見ると、胎芽の周りを羊膜が覆っているのを見ることができます。
羊膜の内側には羊水腔という部分があります。
羊水腔は羊水が満たされていく空洞のことで、このころの羊水はまだママの血漿からつくられていると考えられているようです。
羊水の成分
画像出典http://www.jaog.or.jp/lecture/9-%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%97%E3%82%87%EF%BC%81%E3%80%80%E8%86%9C%E6%80%A7%E8%A8%BA%E6%96%AD/

胎盤がないため羊水にも栄養が含まれている

妊娠初期は胎盤がまだなく、胎盤を通してママから栄養を受け取ることができません。
そのため、妊娠初期の羊水には赤ちゃんに必要な栄養が含まれていると考えられています。

妊娠中期

胎盤ができはじめるころになると、赤ちゃんの器官形成も進んでいきます。
すると赤ちゃん自身がオシッコをして、羊水をつくり出していくのです。

妊娠5か月頃から本来の羊水の成分になっていく

私たちが考える羊水の成分となっていく時期は、妊娠5か月頃からです。
赤ちゃんが羊水を飲んでオシッコをしながら、羊水の量が増えていきます。

羊水の量がピークになる時期です

羊水の量は妊娠30~35週がピークとなります。
約800mlもの羊水で満たされているのです。

妊娠後期

妊娠40週ごろから羊水の量が少しずつ減っていきます。
妊娠中期ではたくさんあった羊水の中で赤ちゃんが動き回れたのですが、羊水が減ると窮屈になり、頭を下に向けた状態で固定されるのです。

羊水の役割とは?

羊水の成分
赤ちゃんにとって羊水は多数の目的があります。

赤ちゃんの運動空間を確保しトレーニングするため

妊娠中期は羊水の量もピークになり、その中で赤ちゃんが動き回って、運動機能をトレーニングしていきます。
お腹の中にいるころから手足を動かしていて、生まれたときにちゃんと機能するようトレーニングしているのです。

外界からの刺激から守るクッションの役割

羊水は赤ちゃんを守るクッションの役割があります。
赤ちゃんのベッドのようなもので、赤ちゃんを取り巻いて適切な状態を常に保っています。
ママがうっかり転んでお腹をぶつけてしまっても、羊水があることで水風船のようにクッションとなってくれるわけですね。
胎内にいる赤ちゃんの体は未完成のため、羊水でガードして保護してあげる必要があります。

感染から赤ちゃんを守っている

ママの膣内には多数の細菌が住み着いています。
胎内にいる赤ちゃんが直接細菌に触れないよう、羊水が守っているのです。

 

しかし、母体が病原菌を持っていて、胎盤から赤ちゃんに伝わり感染症になるリスクはあります。
子宮内にいる赤ちゃんでも、100%感染症にかからないというわけではありません。

 

母体からの感染症としては、前期破水したときや、細菌性膣症にかかったときです。

 

感染症が広がっていくと「絨毛膜羊膜炎」になるリスクがあります。
32週未満の早産の原因として最も多いのが、絨毛膜羊膜炎によるものです。
赤ちゃんは卵膜で覆われていて、卵膜は脱落膜・絨毛膜・羊膜の3層からなります。
このうち絨毛膜・羊膜に感染症が広がったものが絨毛膜羊膜炎です。

 

絨毛膜羊膜炎になると、次第に羊水も感染し、胎児への感染と広がっていきます。
赤ちゃんへの感染症を予防するなら、母体の絨毛膜羊膜炎を防ぐようにしましょう。
妊娠中で免疫力が低下すると、何でもない細菌が原因となることもあります。
歯周病が原因となるという説もあるため、妊娠中に治療しておいてください。

赤ちゃんの臓器の発達に必要

・羊水を飲み込んで肺を成長させる
・羊水をオシッコで排出して消化管を発育させる
このように羊水を赤ちゃんが飲むのは、内蔵機能を働かせるトレーニングの一種となります。
羊水を飲んでそれをオシッコに分解し羊水として排泄、またそれを繰り返していくうちに内蔵機能が整ってきます。

お産を助ける働き

出産が近くなると赤ちゃんを包んでいた卵膜が破れ破水します。
羊水が流れ出ることで、赤ちゃんが子宮から出やすくしているのです。
子宮口はとても狭いのに赤ちゃんが出てこられるのは、羊水のおかげだといえるでしょう。

羊水によるトラブルとは?

羊水が汚れる、羊水が少なくなるなどトラブルが幾つかあります。

羊水って汚れるの?

以前芸能人による羊水問題発言が話題となったことがありました。(彼女は年齢的に妊娠機能が衰えると言いたかったのでしょう)
その発言では「年齢により羊水が汚れる」といったものでした。

 

実は羊水は通常でも濁ることがあります。
年齢的に汚れているという考え方は間違いのため、誤解の無いようにしましょう。
羊水のほとんどが水でできているため、高齢出産の人でも透明(オシッコのような色)なことがほとんどなんだとか。

 

そもそも羊水は妊娠するまではできていません。
妊娠して赤ちゃんを守る袋が形成されなければ、羊水も作られることはありません。
つまり羊水は常に新しい物質でできており、年齢的に濁っているとか腐るなんて考えは間違いなわけです。

 

羊水はどうやってできるのかが疑問ですが、これは赤ちゃん自身が作るのだとか。
母体が赤ちゃんを守るために作るのだと思っていた私は衝撃的でした。
最初は母体からの羊水は多いものの、赤ちゃんが排泄した尿などが羊水となり、最終的には赤ちゃん自身も作るようになるとのことです。
尿の一部が含まれているということは、赤ちゃんの体調によっては濁りが発生することもあります。

羊水混濁

「羊水が汚れる」という発言は、もしかしたら羊水混濁と勘違いしたのかもしれません。
羊水混濁とはその名前の通り、羊水が濁ってしまうものです。

 

濁る理由は、赤ちゃんが排出した便によるものです。
本来赤ちゃんは子宮内で便を出すことはなく、生まれて数日後にはじめてウンチをします。
ところが一部の赤ちゃんは、妊娠後期にウンチをしてしまうことがあるようです。

 

羊水が濁っても赤ちゃんに影響を及ぼすことは少ないのですが、濁った羊水を吸い込んで呼吸困難や肺炎にかかることもあります。
濁っているかは破水したときまでわからず、分娩の際に医師が確認して処理してくれるため、心配はないでしょう。

羊水過多症

赤ちゃんが羊水を飲み込めないと羊水が増えて「羊水過多症」になります。
羊水の量が800mlを超えると、羊水過多症です。
妊娠後期には500mlくらいまで羊水が減るのが普通ですが、減っていなければ赤ちゃんが飲み込む羊水の量と排出するオシッコの量のバランスが取れていません。

 

妊娠糖尿病になると赤ちゃんの尿の量が増えます。
多胎の場合も羊水の量が増える可能性があるでしょう。
羊水が多いかは妊婦検診のエコーで調べることができます。

羊水過少症

赤ちゃんがオシッコをつくれないと羊水過少症となります。
オシッコの量が少なくなる原因は、赤ちゃんの腎臓の問題や、ママの妊娠高血圧症候群などの原因が考えられるようです。

 

羊水が少ない状態だと赤ちゃんを守るクッションが不足します。
手足が圧迫されることで関節が変形する可能性もあるため注意が必要です。
赤ちゃんの腎臓に問題がある場合は対処方法がありません。
羊水が少なく赤ちゃんへの衝撃が伝わらないよう、妊娠中の生活を工夫しましょう。

羊水検査について

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羊水と聞くと気になるのが、羊水検査ですね。
これは出産前に赤ちゃんに異常が無いか検査するためのものとして利用されています。
羊水の中に含まれる成分によって、染色体の異常がわかるというものです。

 

先ほども紹介したとおり、羊水の中には赤ちゃんのオシッコが含まれていますから、赤ちゃんの細胞の一部が入っているということ。
その一部を使えば、赤ちゃんの先天的な異常がわかるということです。

 

特に高齢出産となる人は赤ちゃんに障害が出るリスクが高めのため、出生前診断を利用するケースも多いといわれています。
羊水検査で実際に陽性となった方の90%以上が産まない選択をしてしまっている事実は考えさせられます。

なかには陽性が出ても産むと決めた方もいるようで、遺伝子的にはリスクがあっても、100%障害を持って生まれてくるとは限らないのかもしれません。

 

羊水検査は費用が高額となるため、覚えておきましょう。
20万円くらいかかるというデータも出ているため、これを選択するかは経済的な問題も出てくるのでしょうね。
最近では新手法も出て来て、8分の1まで費用を減らす方法もあるそうですが、それでもやっぱり2万円代とちょっと高額な費用はかかります。

まとめ

羊水は妊娠初期からできはじめ、最初は母体の血漿が主な成分で、次第に赤ちゃん自身のオシッコで満たされていきます。
赤ちゃんを守り、出産をスムーズにする働きがある物質で、羊水はとっても大切なものなんですね。
濁るということはなく、オシッコ色はしていますが、どの年齢でも透明なのが特徴的です。
羊水は出生前診断の材料としても利用されているため、妊娠中の方にとっては馴染みが深いものといえますね。