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パッシブハウスのメリット・デメリット

 2015/09/08 暮らし
この記事は約 6 分で読めます。 1,731 Views

近年では電気代が高くなってきていますが、どのように電気代を安くするか工夫している家庭も多いでしょう。なかには太陽光発電を取り入れて自分達で電気を作り、蓄電池で電気を貯めて消費もする、このような生活のし方も注目されています。しかしその前に考えてみたいのが、電気を必要以上に消費しない家作りです。ドイツで広く取り入れられている、省エネ住宅の「パッシブハウス」について紹介します。

パッシブハウスとは?

1991年にドイツのパッシブハウス研究所が定め、高気密住宅で家から出た熱のロスを防ぎ、更に太陽光など自然エネルギーを活用する住宅のことです。この家の作り方では夏は冷房の使用料が少なくなり、冬は暖房費の節約になるといわれています。

最近では北海道でもこの家の作り方を採用し、冬の暖房費が大きくなりやすいため光熱費を節約の目的に進める住宅メーカーも出てきているようです。日本で最初に建設されたのが神奈川の鎌倉で、北海道では2011年にリノベーションにより江別市にパッシブハウスが建設されています。

この高断熱の住宅が完成すると、夏でも冬でもエアコン1台で家全体の温度調節がまかなえるのだとか。

パッシブハウスを叶えるためには断熱材を厚くし、外壁が30cmも取られるようになります。通常の断熱材とサイディングでもここまで幅が広いものは見られません。さらに家の中の空気を入れ替えるために熱交換換気システムを導入する必要があります。家の空気を出す際、入れる際に熱交換を実施することで、無駄な熱ロスが少なくなります。

外気が氷点下になる北海道では、そのまま空気を取り入れる換気システムでは、室温がどんどん下がってしまいます。実際に我が家でも外気と室内の空気をただ換気するだけの24時間換気システムが導入されていますが、冬は外気がモロに入るため室温がかなり下がってしまうのです。熱交換システムは冬は外気に熱を加えて室温を下げすぎない、夏は暑い外気を冷やしてから取り込みます。

熱交換換気

熱交換換気システムは北海道の住宅では取り入れるところも増えてきています。パッシブ住宅でなくても、普通の高断熱の住宅では採用していることがあります。厳密には顕熱交換換気と全熱交換換気があるようです。これらは熱を交換するシステムと、湿度も一緒に交換するかのシステムの違いです。

室内にこもっている湿気を逃がす働きが無いと、結露の原因になったり、一部分に湿気がたまり建物を傷める原因ともなったりします。パッシブハウスでは特にどちらを選ぶかは定義されていないようですが、高断熱にする以上、湿気を逃がす熱交換換気が必要となってくる可能性はあるでしょう。

窓の必要性

パッシブハウスにするためには窓から失われる熱のロスも最小限にすることが必要です。一般的に利用されているアルミサッシでは夏に熱が入りやすく、冬は熱が流出する原因ともなっています。窓そのものが熱ロスが少ないものを採用し、さらに大きさや取り付け場所なども考えて設置しなければなりません。

パッシブハウスでは太陽光を取り入れて、冬の室内を暖める働きも利用します。そのため窓の位置はとても重要となってきます。冬には太陽光が存分に利用できる場所であり、夏には太陽の光が室内に届かないよう工夫する必要があります。夏は軒を長くすることで光をさえぎることができますし、冬は南側の窓を大きくして太陽光をたくさん取り入れる方法がとられます。

ちなみに窓の断熱効果が一番高いといわれているのは、木製サッシです。スウェーデンなど北欧で普通に利用されていることからもわかるように、木は断熱性能が高い天然の素材なのです。

パッシブハウスのデメリット

パッシブハウス
光熱費が削減できてすごく良い住宅という感じがしますが、やはりデメリットも存在しています。断熱材が分厚くなるため建築費が高額になりやすいのです。長く住むことを考えると、将来光熱費で元が取れるから・エコで地球に優しいと感じることができればデメリットにはならないかもしれません。

さらにパッシブハウスを作るためには太陽光を利用したり、窓の位置を考えるなど専門的な知識も必要となってきます。単に断熱材を分厚くしただけではエコにならない可能性があります。当然窓の位置や軒の長さも左右されるため、間取りは多少制限されます。自由発想で作ろうと思うと、思ったより省エネ化とならないこともあるため、専門家とよく相談した上で決める必要が出てくるでしょう。

また、日本では湿度コントロールが問題となってくるかもしれません。ドイツで開発されたエコ住宅のため、北海道のような気候では活用することができる可能性はありますが、本州では湿気があるため湿度対策が必要となります。単に高断熱で太陽光の光を取り入れただけでは、室内の空気の流れが一部悪くなり、湿気がたまってカビが発生することもあるように思います。

人工的に換気をするシステムでは、どうしても空気が流れない部分はできてしまうものです。さらに夏もエアコンを使用して室内の気温をコントロールするため、自然の風を取り入れたい方、エアコンが苦手な方などはデメリットとなるかもしれません。夏は風を取り入れながら上手く熱を逃がす窓の作り方なら、夏でもエアコンを使用しなくて良くなります。

パッシブハウスはこれからの住宅の基本となるか?

メリットだけを考えずデメリットも考慮しながら、専門家と一緒に作ることが重要でしょう。建築費は最初高額になりますが、長期間住むことでペイできると考えられるならメリットは高くなります。

ただしデメリットも存在しているため、その点はよく考えるようにしてみましょう。住宅で完璧なものは存在しないため、パッシブハウスの良い部分を上手く取り入れながら、これからの住宅に活用していけば良いのではないでしょうか。

個人的には単に高断熱にすればよいというエコ住宅は考えさせられる部分もあると思うので、パッシブハウスの良い部分を活用しながら住宅を建てる必要があると考えます。
・ 太陽光を上手く利用し省エネ化している
・ 窓からの熱ロスが考えられている
・ 軒を大きくして夏の熱対策をしている
・ 冬の太陽光の位置も考えられている

この面は十分一般の住宅でも活用できるのではないでしょうか。高断熱にすれば空気の流れが妨げられる部分も発生しやすいため、湿度コントロールも一緒に考えると良いと思います。

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