子宮外妊娠症状のひとつ「痛み」はいつから?つわりがあっても腹痛がある場合は注意して

妊娠中のQ&A

子宮外妊娠(異所性妊娠)の症状はいつごろから出るものなのでしょうか?
大出血してしまうという人もいれば、生理痛のような症状のみでほとんど何も感じなかった人までいろいろのようです。

 

子宮外妊娠は早期に発見されれば症状がほとんど見られない場合もありますし、子宮外妊娠の発見が遅れると大出血や腹痛を伴う恐れがあります。
その時期により症状は変わるため、自分が今どのような状況なのかでも確認してみましょう。

子宮外妊娠の痛みと症状はいつごろから?

子宮外妊娠になると痛み以外にもいろいろな症状が出ます。

基礎体温に変化は出ない

毎日基礎体温を測っている方なら、「子宮外妊娠すれば体温の変化でわかるのでは?」と思うかもしれません。
しかし、子宮外妊娠でも妊娠中に出るhCGホルモンやプロゲステロンの分泌量に変わりがないため、基礎体温に変化はみられないのです。

 

子宮外妊娠をしても通常の妊娠と同様の動きをするため、基礎体温だけで判断することはできません。

妊娠検査薬は陽性と出る

hCGホルモンやプロゲステロンの分泌があるわけですから、妊娠検査薬は当然陽性となります。
市販されている妊娠検査薬は、hCGホルモンの量によって測定しているからです。
妊娠検査薬を使って「妊娠している」とわかっても、それは妊娠の事実だけで、受精卵が子宮に着床しているのか、それとも卵管に着床しているかはわかりません。

下腹部の痛み

子宮外妊娠で本人がわかる症状は痛みです。
卵管など子宮外に受精卵が着床してしまったものを子宮外妊娠と呼んでいるため、妊娠週数がまだ少ない段階では痛みを感じることはありません。

 

ところが、妊娠数数が進むにつれて受精卵が大きくなり、卵管を圧迫して痛みが出るようになります。
子宮外妊娠で痛みが出る時期は、妊娠6週くらいです。
赤ちゃんを包んでいる袋の胎嚢は妊娠4週から、赤ちゃんの心拍は妊娠5週からのため、早めに病院を受診していれば子宮外妊娠に気が付くことができます。

 

妊娠6週は胎嚢の中に胎芽が見られるようになり、受精卵の細胞分裂も進んでいる状態です。
胎嚢は1.5cm程度で、徐々に卵管を圧迫していくため痛みを感じます。

軽い腹痛から激しい痛みになった場合は卵管破裂

最初は軽い腹痛だったのが、急に激しい痛みをおこした場合は「卵管破裂」です。
妊娠7~8週になると卵管よりも赤ちゃんのほうが大きくなり、卵管を圧迫して破裂させてしまいます。

 

卵管の破裂は臓器にダメージがかかったことですから、当然痛みはかなり強くなります。
症状は急激に進行してしまうため、激しい痛みを伴う場合は救急車を呼んでください。

不正出血

子宮外妊娠は不正出血がおこるのも特徴的です。
妊娠週数が少ないときは出血や痛みもなく無症状ですが、妊娠6週以降になると不正出血する可能性が出てきます。

 

卵管破裂となると大量の出血となり、出血性ショック状態となるため注意が必要です。
血液が大量に流れ出ることで、母体は極度の貧血状態となってしまうのです。
出血性ショックになれば母体の命にかかわることもあるため注意しましょう。

冷や汗をかいて顔面蒼白

冷や汗や顔面蒼白の症状は、卵管破裂したときにおこります。
ここまで放置していると激しい痛みと貧血で辛い思いをするでしょう。
実際に子宮外妊娠を体験した方の痛みを紹介します。

診断後から右下腹部にシクシクと軽い痛みが続き、内診や超音波での出血確認により右卵管に着床しただろうと推定診断を受け、入院の日にちも決まっていたのですが、入院の2〜3日前にそれまでの5倍ぐらい強い腹痛を感じて急遽入院し、治療を受けることになりました。
出典https://www.jineko.net/forum/%E4%B8%8D%E5%A6%8A%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%AE%E5%BA%83%E5%A0%B4/109718

子宮外妊娠と診断されてから3日間に渡る激痛と出血にみまわれ赤黒い塊のようなものが出てきて徐々に痛みがなくなったため流産となってしまったのかと思っていました。しかし、その2日後の夜から急に右下腹部の激痛に襲われていまもなお痛いです。
出典https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14163603014

子宮外妊娠経験者で、現在は正常妊娠し7w5dです。
子宮外妊娠の場合、5w3dではまだ激痛が走るほどではありません。また、下腹部というより私は膝や腿が痛みましたね…。完全にお腹ではなく足でした。
出典https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12189407017

早めに子宮外妊娠を発見することができれば、痛みは我慢できる程度のようです。
妊娠の可能性があって痛みがある場合は、子宮外妊娠だけでなく流産の可能性も考えておきましょう。

オシッコの際に痛みが出る

受精卵が卵管ではなく、子宮頚管で着床すると、赤ちゃんが大きくなることで膀胱や尿道を圧迫して、排尿痛を感じることがあります。
子宮頚管での着床は非常にまれです。

まったく症状がない子宮外妊娠もある

子宮外妊娠はまったく症状が出ずに、そのまま受精卵が育つケースもあるようです。
通常卵管内部でそのまま成長することはできませんが、卵管から出て腹腔内にとどまり成長することもあります。
受精卵の成長には栄養や酸素が必要となってくるため、子宮外では育ちが遅いです。

 

弘前大学大学医学研究科による資料で、腹腔妊娠の3例が紹介されていました。
そのデータによると、卵管での着床が最も多く、腹腔妊娠は子宮外妊娠の1.3%の割合だとのことです。

 

症例から見ると、軽い複数や中程度の痛み、痛みが無い方などがいるようです。
どの症例も開腹手術により赤ちゃんを取り出しています。
詳しい症状や手術の状況も記載されているため、気になる方は参考にしてみてください。
リンクhttp://www.med.hirosaki-u.ac.jp/~obste/rinsanpu/JASOG/JASOG19_11.pdf

子宮外妊娠が重症になったら

子宮外妊娠は卵管で育ちそのまま破裂してしまうため、危険性が高いものです。
最近はエコー検査で子宮内に胎嚢が見られなければ、子宮外妊娠を疑うことができるようになり、卵管破裂して大出血をおこし問題となるケースは少なくなりました。

 

それでも子宮外妊娠が進行すれば、手術で問題がある部分を切除しなければなりません。
卵管で着床すれば卵管切除が必要なケースもあって、場合によっては子宮の一部や全部を切除しなければならないときもあるのです。
臓器の摘出が必要となれば、お腹を大きく切らなければならずリスクがあります。

関連記事子宮外妊娠の兆候はあるのか?自分でも分かる?

子宮外妊娠とは?

子宮外妊娠
子宮外妊娠は現在「異所性妊娠」とも呼ばれるようになりました。

 

受精卵が子宮以外の場所に着床することを「子宮外妊娠(異所性妊娠)」と呼びます。
妊娠のなかで1%程度のケースで子宮外妊娠になるおそれがあります。

 

非常にまれな症状ではありますが、初産より経産婦で割合が高くなるのが特徴です。
子宮外妊娠はどの部分に受精卵が着床するかでも、名前が異なります。

・卵管妊娠
・卵巣妊娠
・腹腔妊娠

子宮外妊娠のうちその多くが卵管妊娠です。
受精は卵子と精子がであうことで成立するため、この現象がおこるのは卵管でしょう。
卵巣から排卵した卵子は卵管を通って降りてきて、子宮に到達する前に受精します。
受精卵は1週間ほど時間をかけて子宮に辿り着くのですが、この途中で着床してしまったのが子宮外妊娠です。

子宮外妊娠の原因

卵管内で着床してしまう原因はいくつか考えることができます。

・卵管が何らかの原因で詰まっている
・綿毛と呼ばれる受精卵を運ぶ器官の異常

妊娠中絶後に卵管に炎症が起きて子宮外妊娠になりやすく、子宮内膜症などの病気が引き金になることがあります。
健康な人でもなる恐れがあるため、完全に防ぐことは困難です。

子宮外妊娠の初期症状

子宮外で受精したとしても妊娠していることには変わりがないため、通常の妊娠と同じ症状が出ます。
体温が高い、つわりや倦怠感、眠気、だるさなどの症状です。
そのため本人が症状のみで子宮外妊娠を判断することは困難でしょう。

 

人によってはつわりが軽い、またはまったく無いと感じる人もいるため、この症状を目安にすることができます。
ただし、つわりが無いのは正常な妊娠でも見られますし、1回目と2回目のつわりの重さが違う妊婦さんもいるでしょう。
それに流産でもつわりが軽くなることがありますから、つわりの軽さだけでは子宮外妊娠を判断できません。

子宮外妊娠で激痛や出血を伴うのは卵管破裂

初期の頃に流れてしまった場合や、卵管に留まらなかった場合では卵管破裂はしません。
しかし、そのまま気が付かず長期間そのまま放置してしまうと、胎児が成長するスペースがないため卵管が破裂し大出血を起こし、ときにはショック死することもあります。

 

早めに妊婦検診を受けてればこのようなことはなく、赤ちゃんが入っている袋が確認できない場合は、時期をずらしてまたエコー検査をすれば、正常な妊娠なのか子宮外妊娠かがわかります。
大出血して怖いのは長期間初診を受けずに放置してしまったケースです。

卵管流産

卵管で着床してもそのまま流産してしまうこともあります。
この場合は腹痛と出血が見られる程度で、受精卵がそれ以上育つことはないため破裂を防ぐことができます。

卵管破裂

卵管破裂が必ずしも大出血や激痛を伴うわけではありません。
破裂具合によっても症状が異なり、腹腔内への出血が少なければ量も多くならず、痛みも軽い場合があります。
出血量が多くなればなるほど腹痛が激しくなります。

 

ショック死してしまうのは、出血量が多いためです。
出血量が多ければ輸血の治療が必要となります。
そのまま放置すれば死亡することもあるため子宮外妊娠は見逃すことができません。

子宮外妊娠の痛みが起こる時期

初診の際に胎嚢や受精卵自体が見られなければ再度受診するよういわれます。
それでも胎嚢が確認できなければ子宮外妊娠の恐れがあるでしょう。

 

妊娠が確定する時期から1週間~2週間くらいで自然と流産する場合も見られていて、この場合に卵管が破裂していなければ痛みは軽い程度で済みます。

 

痛みは通常の妊娠のような症状のみで、まったく無自覚の場合もあるといわれています。
生理が遅れたなと思ったら妊娠検査薬で調べ、陽性反応が出たら早めに病院を受診するようにしましょう。

 

子宮外妊娠の症状の出方や、進行度合いについては妊娠週数との関連性はまったくありません。
早い時期に卵管破裂してしまう場合もあれば、妊娠4ヶ月くらいまで受精卵が発育して無自覚の場合も見られています。
なかにはそのまま妊娠が継続できた例もまれにあるようです。

シドニー(AP) オーストラリアの女性が5月末、子宮外妊娠だったにもかかわらず、無事に元気な女の子を出産した。妊娠期間中はまったく兆候がなく、帝王切開して初めて子宮外妊娠が判明、医師らは「非常に珍しく、奇跡だ」と驚いている。

女性は5月29日に帝王切開手術を受けた。妊娠38週での出産だったが、それまで子宮外妊娠の兆候はなく、途中の検診でも判明しなかった。
出典http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2008/06/38_a78c.html

子宮外妊娠になる確率が高い人とは?

子宮外妊娠
子宮外妊娠はなりやすい人がいます。
受精卵が子宮で着床せず、卵管で育ってしまうのが子宮外妊娠のため、卵巣や卵管に問題があれば途中で詰まりやすくなるでしょう。
以前卵巣の異常が見られた方、卵管の問題が出た方などは注意するようにしてください。

 

そのほか、お腹の手術を受けた方が合併症によって卵管が癒着し、子宮外妊娠をおこしやすくなることがあります。
人工中絶もそのひとつで、妊娠しにくくなるリスクだけでなく、子宮外妊娠も抱える可能性があるのです。
虫垂炎、腹膜炎など何らかでお腹を開腹したことがある方、子宮や卵巣の手術を受けたことがある方も注意する必要があります。

高齢出産の人

高齢出産の場合、若い人に比べて子宮外妊娠になりやすいともいわれているようです。
40代での妊娠の場合、10代と比べて3倍のリスクがあると考えられています。

クラミジアに感染したことがある人

過去にクラミジアに感染したことがある方も、子宮外妊娠のリスクが高まるとされています。

 

クラミジアとは微生物の一種で、性的な感染以外にも浴場などでもリスクがあるものです。
性的な感染は、相手がクラミジアに感染していると50%の確率とされています。
20代で性的な経験がある女性では、5~10人に1人がクラミジア感染者ともいわれているのが現状です。

 

女性がクラミジアに感染しても症状が出にくい場合があります。
おりものの増加や、不正出血があった場合は注意しましょう。
クラミジアは初期に症状がほとんどみられず、放置すると卵管炎と発展して、将来の子宮外妊娠のリスクを高めます。
出典http://www.haruki-cl.com/chlamydial-infection/

体外受精の場合

一般的な不妊治療の場合、子宮外妊娠になるリスクは1.5%程度だといわれているようです。
新鮮胚移植で2.3%、凍結胚移植では0.8%程度となります。
出典https://www.sakudaira-angel-clinic.jp/blog/infertility/2739/

子宮外妊娠になったときの診断方法

子宮外妊娠の痛み
子宮外妊娠は自覚症状だけで判断することは難しいため、産婦人科を受診して、子宮内に胎嚢を確認するのが一番確実です。
尿検査だけでは通常の妊娠と同じ反応を示すため診断は難しく、エコー検査で子宮内に胎嚢が確認されなければ子宮外妊娠の疑いが出てきます。

 

ただし、胎嚢が子宮内に見えなくても、妊娠週数が早ければまだ見えないため、最終生理日が正しいか確認しましょう。
もし妊娠週数が間違っていれば、後日改めて超音波検査を行い、無事に胎のうが確認されれば問題はありません。

 

確実に子宮外妊娠の診断をするなら、「卵管内に胎嚢を確認すればいいじゃないか」と思う方もいるでしょう。
卵管は超音波検査では見えにくく、そのなかに胎嚢があったとしても、かなり大きくならないと診断は付けられないのです。

内診で判断する

子宮外妊娠で出血が見られると痛みを感じるため、これを判断材料のひとつとする方法があります。

子宮外妊娠となったときの治療方法

子宮外妊娠
子宮外妊娠(異所性妊娠)だとわかったら、早めに措置しなければなりません。
その場合は手術する場合と、薬剤による治療方法があります。

MTX

妊娠週数が少なく卵管が問題なければ、MTXと呼ばれる抗がん剤を使用し治療できます。
抗がん剤を服用すると妊娠組織が消失できるため治療に用いているようです。

 

抗がん剤には変わりがないため副作用に注意し服用します。
服用はがん治療のように長期に渡らないため、飲んでいる期間のみの副作用で済むでしょう。

外科手術

卵管が破裂してしまえば薬剤による治療は行えません。
この場合は早急に外科手術が必要となり、多くの場合では卵管を摘出しなければならないのです。

 

まれではありますが、卵管周辺への臓器に癒着がみられる場合は、卵巣を取り出さなければならないこともあります。
開腹手術は腹腔鏡下の手術やお腹を開く方法などさまざまです。

関連記事子宮外妊娠の処置は手術だけじゃない!

子宮外妊娠になったら次はどうなる?

一度子宮外妊娠になったら、心配なのが「次の妊娠はどうなの?」ということです。

子宮外妊娠を経験しても妊娠できる?

子宮外妊娠を経験したからといって、次回から妊娠しにくくなるという明確なデータはありません。
しかし、子宮外妊娠の処置方法によっても、予後は変わってくるでしょう。

 

自然流産した場合は、次回も問題なく妊娠できる可能性があります。
たまたま受精卵が卵管に着床してしまっただけだからです。

 

卵管に問題があって切除手術をしても、女性には2つの卵管があるため、もう片方の卵管が正常であれば妊娠はできます。
卵管がすでに閉塞している場合は、自然妊娠は難しいでしょう。
その場合も体外受精などを活用すれば妊娠は可能となるため、妊娠を諦めないでください。

 

子宮を取り除いてしまった場合も、自然妊娠は難しくなります。
卵子がまだ残っているなら、代理母を活用する方法もあるでしょう。

妊娠を望む人ができること

手術をした場合は、1か月くらいは夫婦生活をお休みする必要があります。
術後は免疫力が低下しやすいため、しばらくは感染症に気を付けてください。

 

一度子宮外妊娠になったからといって二度おきるという根拠はありませんが、子宮外妊娠を100%防ぐ方法は残念ながらありません。
ただし卵管が詰まっているか、クラミジアの感染があるかは判断できるため、医師と相談しながらやれることはやっておきましょう。

まとめ

子宮外妊娠の時期は生理が遅れていると感じた頃から、長くても妊娠4ヶ月目までには何らかの症状が出ることが多くなっています。
もしそのまま何も症状が無ければ、卵管で育つ可能性もありますが、それはかなり稀なケースでしょう。
海外では子宮外妊娠でも育ったという例はありますが、それは滅多にないことです。

 

誰でも子宮外妊娠はおこるリスクはゼロではありませんから、妊娠を考えている女性は覚えておくようにしましょう。
妊娠したと思ったら早めに受診し、子宮内に赤ちゃんの袋を確認してもらうことをおすすめします。